廃プラスチック類の処理問題と保管量上限の緩和
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2019年9月4日付「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令」が公布及び即日施行され、約2カ月が経過しました。
環境省から毎年発表される廃棄物処理統計によりますと、近年の日本国内の廃プラスチック類の排出量は年間約680万t前後を推移しています。そのうち、毎年約150万tを中国へ輸出していましたが、2017年以降、中国側の相次ぐ規制によって現在はほとんど輸出できなくなりました。そのため、輸出に頼っていた分の廃プラスチックの行き場がなくなり、廃棄物処理場等に滞留する状況となっています。
そこで、今回、廃プラスチック類処理について優良産廃処理業者(産業廃棄物処理の実施に関して優れた能力と実績を有する事業者。都道府県・政令市が審査して認定する。)は、廃プラスチックの処分、再生のために保管する量を処理能力の28日分(旧規則では14日)に増やすことが可能になりました。
しかし、今回の規則改正は、保管量規制の緩和にとどまるため、法令改正後も依然として廃プラスチック類の処理問題は続いています。プラスチックそのものの使用量を抑制できるか、産業廃棄物処理施設のオーバフローや受入制限がある中で新たな処理施設や方法を模索できるか、処理料金の高騰問題を解決できるか、より高度な循環型社会へ向けての対応が迫られています。